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自衛隊から民間へ行く際の職務経歴書の書き方

多くの企業では、応募する際、履歴書の他、職務経歴書の提出が求められると思います。

履歴書はある程度フォーマットが定型化されており、氏名、住所のような記入すべき「必須項目」に加え、学歴や職歴等の人によって異なる「個別項目」が設けられています。

一方、職務経歴書には汎用的なひな形はありますが、履歴書ほど決められた形式はありません。そのため、再就職や転職を始める方の中には、どのように記載したら良いのか悩んでしまう方も多いです。

単なる書類じゃない!職務経歴書の企業応募の重要性

職務経歴書の目的

ここでは履歴書と職務経歴書の役割の違いを確認し、職務経歴書の目的を理解します。

履歴書と職務経歴書の違いは何でしょうか?履歴書を細かく書いたものが職務経歴書でしょうか。

まったく違います。

採用フロー全体を理解すると違いが分かります。求職者は、まず企業へ応募し、多くの企業は採用プロセスにおいて、

書類選考→(筆記試験)→面接→オファー→採用

があります。

ただ、面接は、誰でも行けるわけではありません。面接の前に、書類選考のある企業がほとんどです。

なぜなら、数多くの候補者が企業へ応募しますが、全員と面接をしていたらいくら時間が足りませんよね。その上、時間は有限ですので、できる限り職種に会った人だけと会いたいと採用担当者は思うわけです。

とくに中途採用ですと1時間近く面接をします。通常業務がある中で、1時間を1人のために割くのですから、会う価値のある人のみと面接したいことが企業の本音です。

そのため、職務経歴書は、面接へのチケットと考えましょう。

ただし、履歴書ではその人が職種に合っているのか、募集している仕事で活躍できるのかは、分かりません。

そのため、企業人事の多くが重視するのは、職務経歴書です。職務経歴書を見て、会いたい人かや面接する価値があるかを確認するわけです。

ですので、職務経歴書作成目標は、面接のための切符「獲得」です。面接へ行く切符獲得を職務経歴書という武器で代行するわけです。

どういった書類であれば、その人と会いたいと思うでしょうか。採用担当者に会いたいと思ってもらえる書き方やさらに言うと、自己PRが必要です。

職務経歴書の難しさ

ただ、自己PRと言っても、普段やり慣れていない方がほとんどだと思います。また、自衛隊業務の中で、自分が今まで行っていた事実や記録の記載はできても、そこに自己PRの要素を組み込むとなると難しいんです。

僕が自衛隊から転職する際に記載していた職務経歴書の例をお示しします。

まるで、履歴書の詳細を記載しただけです。自衛隊を知っている人であればまだ良いですが、採用担当者へPRしていない為、まるで、何をやっていたのかがイメージがつきませんし、どのような能力があるのかも伝わらないです。

採用担当者からしたら「幹部」という位置づけが理解できませんので、この場合は、70人が所属する組織を回す組織長の補佐で、現場との調整役をしていたという表現の方がまだ分かりやすいと考えます。

また、「計画立案」も自衛隊内であればわかりますが、人事担当者としては自衛隊が何をしているのかそもそも知らないので、所属組織の成果が向上するように、計画立案およびその進捗管理をしていたというような記載にすることで、ああこの人は、組織内の調整や人とコミュニケーションは取れるんだな、指導をしているということは人を引っ張ることや指示するリーダーシップ性もあるのかな?聞いてみようとなる訳です。

お恥ずかしい自分の過去の書類ですが、転職、再就職した方もおそらくご経験があるのでは無いでしょうか。

転職、再就職する際は、自衛隊用語を知らない企業の人にも分かりやすい表現に変換する必要があります。表現の仕方は、コツが必要なので民間企業で働いている人にブラシュアップしてもらうことがよいです。

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自衛隊には職務経歴書って無いの?

自衛隊内での異動や職種転換の際には書類として、整理されています。また再就職プログラムの中に記載方法のレクチャーがあります。

ただし、時系列にどの部隊にどこ期間いて、どのような仕事をしていたのかを自衛隊組織内の用語で整理しています。

何十名の方の自衛隊職務経歴書を拝見し、思うところは、書類の目的が、職務「経歴」というより、職務「記録」といった側面が強く、事実を淡々と記して、部内の上司や異動先組織でどういったことをやってきたのかを理解するためのものになります。

自衛隊内であれば、どういったことができるのかを推測することはできますが、別分野の企業へ転職するには、「自己PR」と「別業種の人たちへの理解」にはおよそそのまま使用することはできません。

職務経歴書が必要とされる企業

ほぼ全てといっても過言では無いと思います。おそらく学生時代のアルバイトで、職務経歴が求められたことは無いと思いますが、それは学生なので、そもそも職務経歴が無いですし、仕事にそこまでのスキルや今後の責任を持たせる必要が無い仕事だったからです。

ただ、再就職、転職の際、正社員雇用や企業でそれなりの役割を得て、やりがいのある仕事をしていくにあたっては、採用する企業も応募者がどれくらい求めている仕事へ力を発揮できるのかを見極めたいです。

自分が企業にとって価値のある人材であることを、他候補者がいる中で、理解してもらう必要があります。

そのため、職務経歴書やその後の面接で重要な仕事を任せられるのかを、見極めるためにも充実した職務経歴書を書く必要があります。

職務経歴書を書く際の注意点・意識する5つのポイント

自己PRができているか

職務経歴書を書く上で、絶対に外してはいけない視点は、「自分が書きたいこと、伝えたいことを書くのではなく、読み手である応募先企業が聞きたいこと、見たい内容を書く」ことです。

あなたにどんなにスゴイ経験やスキルであっても、応募先企業が求めていないことであれば、目的に反して何も生み出しません。募集する職種にどういった経験・スキルが求められているかを求人情報の資格欄や職務内容をよく読み、「会いたい」と思われる職務経歴書を作りましょう。

読み手が理解できるような書き方、用語になっているか

最も注意したい点では、自衛隊内の当たり前でも、民間で使われていない書き方や専門用語を使用しないことです。

専門用語を使用する場合や、普段あまり一般的ではない言葉を書く場合は、初めてその言葉を聞く人でもわかりやすく伝わるように配慮をしましょう。

併せて、正式書類なのに口語が入ってしまうと稚拙な印象を与えてしまいますのでこちらも要注意です。

自分が使いたいと思う表現や言葉でも、相手から違和感を持たれてしまうと自社には合わない人だと思われてしまいます。応募する企業や民間で使う言い回し、表現、言葉でできるだけ理解勉強し、相手へ理解してもらえるようにしましょう。

一貫性を持った内容になっているか

自衛隊から初めて民間企業へ転職するのに一貫性とは?と思うと思いますが、ここで伝えたいのは、応募する企業への動機や重要なのは信念、目標に一貫性があるかです。

例えば、自衛隊から福祉介護業界への再就職や転職であれば、やむなく退職をすることになった理由と共に、「自衛隊で国民の生活を守る活動をしてきた。今後は、地域社会や福祉介護で利用者、生活者のために仕事をしていきたい」といったように、何を大事にして仕事をしたいのかが分かる必要性があります。

「一つの信念をもとにさまざまな環境で経験を積んだ、一貫性のある人物」ことを理解してもらえるようにしましょう。

また、今まで行ってきた職務内容も同様です。自分が行ってきた仕事をアピールすることはよいですが、一貫性がない経歴書の例として、職務内容のなかで「現場リーダーとして自衛隊のプロジェクトの企画や進捗管理を複数担当してきた」と記載しておきながら、業務内容ではプロジェクト案件は1件しか記載がなかったり、自己PR欄では「業務効率改善に寄与した」と記載があるものの、前述の業務内容に関し、まったく記載がないことです。

書き進めていくうちにあれこれと情報が散らかってしまい、伝えたいポイントがボヤけてしまうことがあります。経歴書の作り始めは、この「情報の散らかり」を気にせず書き出してよいですが、ある程度出来上がったらしっかり読み返し、一貫性があるかをチェックしましょう。

数字で見える化されているか

自衛隊は、業務に数字を使うことは限られています。ただ、民間企業は、数字で表現することが自分の仕事の達成や組織への貢献を、どれくらいしたのかを評価するために必要とされます。

そのため、できる限り、職務経歴書においても仕事を数値化して伝えましょう。

もちろん、売上や利益といったことは無いため、数値化することは一見難しいですが、「与えれた仕事に対して、自分なりに工夫を入れたことで、工期を◯%短縮したや効率を前年の◯%改善させた」のように、基準を作ってそこから自分が考え、行動した結果、改善させたことを数字で表すことはできます。

ただ、もうひとつ難しいのが、数字にできる「実績がない」と感じていることです。そうした場合は下記の視点で考えてみましょう。

仕事の棚卸しをしてみましょう

職務経歴書に書ける実績は、「表彰・大規模プロジェクトの成功」などと勝手に思い込んでいないでしょうか。実績は自分がやってきたことの功績や成果という意味です。

表彰されるような仕事や大成功を収めた仕事ではありません。もちろんそのような成果があれば素晴らしいのですが、それしか書けないわけではないです。

自分なりに工夫してきたことや、仕事でこれだけは守ると決めていた信念やルールはありませんでしたか。部下や上司のためを思って行った仕事はなかったでしょうか。そんなポイントを棚卸しで振り返れば、自分なりに工夫していたことや気をつけていたことを見つけられるはずです。

他人と比べて過小評価している

実績がないと思ってしまう人の中には、「(他人と比べて)大した実績がない」ことを=実績がない(皆無)と捉えている人も多いです。

ただ成長していないひとはいないわけで、仕事に対してのこだわりや、やってきたことに関し、過去の自分を振り返って成長を見つめてみると、「職務経歴書に書くような実績がない」と焦ることもなくなります。

希望する会社へ自己PRされる内容になっているか

よくあるのが、一度書いて、それを使い回ししている職務経歴書です。同種の業種であれば、一定それで良いと思いますが、会社によって求めている人材は同業種であっても違います。

ではそれを読み解くにはどうすればいいでしょうか。

募集要項をよく読んで、どのような人を欲しいとしているのかを読み解き、そこにあった人物として、自己PRした書類作成を心がけましょう。

また、その会社のホームページ、求める人物像から読み解いてそこにあった自分のアピールポイントを整理することも、書類通過後の面接でも必要とされるため、確認するべきです。

最近の企業は、企業の使命や企業文化をできるだけ、明確にしています。「ミッション」「ビジョン」「バリュー」といった文言を見ることが多いと思います。

「ミッション(Mission)」=「ミッション」とは、果たすべき使命、存在意義、自社が存在する目的のことを言います。言い換えれば、ミッションとは、企業が大事にする変わらぬ価値観のこと。

「ビジョン(Vision)」=「目指す理想の姿」です。将来的にどのような姿、存在になりたいのかを示すことで、未来を具体的にイメージさせ、社員を同じ方向に向かせられます。また、未来のイメージを共有することで、事業や組織へのコミットメントを強化すること。

「バリュー(Value)」=「バリュー」とは、ビジョンやミッションに近づくための社員の行動基準のことです。行動をする際の判断基準になるわけですから、抽象度の高い、ビジョン、ミッションとは違い、具体的な内容。

企業のホームページ等に掲載していることが多いですので、自分が活躍できる会社なのかを確認するためにも一度チェックしてみるようにしましょう。

職務経歴書は一度書いたら終わりではありません

さて、サンプルの職務経歴書を用いて、書いてもらったと思います。これで、企業へ応募する手段はできました。

ただ、これで終わりではありません。改めて言いますが、書類なので、所詮形式上のものでしょとの考えは、大きな間違いです。あなたの職務経歴書は生まれたばかりです。

いわゆる企業でよく言うPDCAサイクルという考えがあります。

Plan→Do→Check→Actionをサイクル化してよりよい行動を実現する考え方です。職務経歴書も書いて、応募して、通過するしない現実が跳ね返ってきます。

おそらく最初は想定以上に書類通過しないと思います。そこでやみくもに数だけこなすのはあまり適切ではありません。

なぜ通過しないのかや、面接に進めても思った質問が来ない際には職務経歴書も見返しましょう。

何度も修正してOKですので、表現の仕方や自己PRのポイントを変えてみるのも良いと思います。

また、一番効果的なのは、周りの民間企業で働いている、採用担当をしている知り合い、友人にチェックしてもらいフィードバックしてもらうのが効率良いと思います。

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提出前の確認

  • □経歴が新しい順に記載されているか
  • □ 誤字脱字チェック
  • □ 入学/ 卒業や入社/ 退職などの年月を間違えていないか
  • □ 見出しやタイトルがあり、体裁崩れや読みやすいレイアウトになっているか
  • □ 日付は最新か
  • □ 自衛隊用語が無いか、一般の人が理解できる、分かるように書けているか
  • □ 具体的な取り組みや数値が落とし込めているか
  • □ 履歴書や他の応募書類等の内容と内容のズレがないか

これから職務経歴書を書く方へ書き方のサンプル差し上げます

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