元自衛官インタビュー

自衛官定年退職後の企業役員としてのセカンドキャリアの作り方

元自衛官キャリアインタビュー Vol.14

プロフィール
佐藤 俊也さん
退職時役職:海上自衛隊海将補
現職:京濱港運株式会社 取締役

今回は、海上自衛隊を将補で定年により退官され、民間企業へ再就職された佐藤さんにインタビューをお受けいただきました。幹部自衛官として自衛隊を定年退職され、現在は物流企業で取締役として勤務されています。

佐藤さんに定年退職後の再就職先企業の決め方やセカンドキャリアへのマインドセットをお伺いしました。

定年退職した後に民間企業へ再就職

ーー佐藤さんは定年により民間企業へ再就職をされていますが、再就職先はどのように選ばれましたか?選ばれた背景、理由をご教示いただけますでしょうか。

佐藤さん:幹部自衛官は、援護業務課に再就職を提示されますが、援護業務課には勤務地も含め処遇についていろいろと考慮していただいたようです。

当初、現在の就職先とは異なる候補があったものの、勤務地が横須賀からは遠く、紹介することを躊躇していたとのことです。私の定年時期の直前に、京濱港運株式会社からの求人がありましたが、今までに退職自衛官を採用した実績はありませんでした。

援護業務課からは、「先輩の自衛官OBはいないし、業務内容についてもわからないところが多いけれど、通勤や処遇の面を考慮すると佐藤さんに適していると思うがどうですか?」との問い合わせをいただきました。

再就職に際して、自分には何ができるのだろうかという不安はありましたが、何かをやりたいという希望あったわけではなく、また、定年までに残された日数もあまりなかったため、とりあえず面接を受けることにいたしました。

社からの求人要望は、「港湾運送事業を行っている会社なので、業務そのものに関する理解がないのは承知しているが、海になじみのある人物で、
将来的には役員としていくつかの事業部の面倒を見てくれる人を。」ということであったと伺っております。

面接を終え、業務に関してはたしてやっていくことができるだろうか、役に立てるのだろうか、という不安はありましたが、採用の条件に関して不満はまったくありませんでした。

元来、海が好きで海上自衛官を選択したのであり、引き続き海のそばで勤務できることは幸せなことだとの思いもあり、この職場で頑張ろうと決意しました。


再就職後の活躍と仕事のやりがい

ーー現在どのようなお仕事をされていらっしゃり、お仕事のやりがいをご教示いただけまでしょうか。

佐藤さん:港湾運送事業を行う会社で、私の担当部署では、自動車運搬船に輸出用のトラック、建機、乗用車を積み込んだり、コンテナ船のコンテナの積み卸しを行っています。

港湾で行われる作業の元請会社であり、船社(お客様)の要請により作業会社(下請会社)を使用して、指定された貨物の積み卸しの計画作成から作業監督までを行っています。

現場の作業自体は、部下に任せていますが、お客様や下請会社との料金交渉を含むさまざまな交渉、監督官庁との諸調整等を行っています。私自身の業務の結果が収支に直結するような仕事であり、重責を担っていると自覚しております。

現在の仕事に必要なスキル

ーー再就職を考えている自衛隊員がどのようなスキルを現職中に学ぶべきか得るべきか、をご教示いただけますでしょうか。

佐藤さん:私は、入社後に「港湾保安管理士2級」「第一種衛生管理者」の資格免許を取得しました。

スキルというのが資格免許のことをいうのであれば、いろいろな資格を持っていると就職先の選択肢は広がると思います。けれども、私のように入社後に資格を身につけることは十分可能です。

したがって、資格免許を取得することは重要だと思いますが、それ以上に、

「新たに与えられた職務にどのような能力が求められるかを認識し、それを獲得するための努力をしなければならない。」

というマインドを備えることのほうが大切だと考えます。

再就職する自衛官へのアドバイス

ーーこれから民間企業へ行く自衛官へアドバイス等ありましたらご教示いただけますでしょうか。

とくに、管理職に就かれる方へのアドバイスです。

個人情報の取扱の困難さもあるのですが、民間の企業では、自衛隊のように深く部下の身上を把握をすることはできません。会社組織のためによい仕事をするには、職員の力を結集して効率よく業務を行うことが必要なのは自衛隊組織と変わりありません。

おそらく民間組織には自衛隊のようなしっかりとした規則体系はなく、明確な階級による区分や、法に定められた命令に従う義務のようなものがない社会で、上司のいうことを聞かせるには、自衛隊組織以上に統率力を発揮する必要があるのではないかと感じています。

また、部下に対して、上司に何を報告すべきかをよく教えなければ、適切な情報を入手することはできませんし、状況を把握することもできません。

現役時代以上に部下の置かれた立場を考え、彼らが気持ちよく仕事のできる環境を作る事が大切です。

行った仕事が会社の利益と直結するわけですから、利益を出すためには何をすべきかを自ら考える必要があります。民間企業においては、何をすればよいか、何をしてはならないかについて明文化されていないことが多いと思います。

与えられた職務について、自分は何をすべきかを正しく理解し、それを行動に移すことが大切です。もちろん、上司への報告も忘れずに。

ーー大変貴重なアドバイス、ありがとうございました。転職、再就職の無料相談受け付けております。関心ある方は下記よりお申し込みください。

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